2024年10月20日(日)に実施されたビジネス会計検定試験2級を受験し100点満点中92点で合格した。このブログでは受験した動機、独学で合格した勉強方法、実際に受験して感じたことなどについて書いた。ビジネス会計検定に興味がある方やこれから受験する方のためになれば良いなと思う。
ビジネス会計検定試験の受験動機
X(旧Twitter)でビジネス会計検定の存在を知る。調べてみると株式投資の役に立ちそうと思い、まずは3級を受験することに。
3級試験の受験について
2024年3月実施の試験に向けて、2ヶ月前から勉強を開始する。使用した参考書は公式テキストと公式過去問題集の2冊。勉強時間は約30時間。受験結果は満点合格。満点合格すると記念品がもらえる。記念品は3色のフリクションボールペンだった。 3級の受験についてはこちらのブログに。
2級試験の受験動機
3級の試験範囲は単体の決算書であるのに対し、2級は連結決算書(親会社と連結子会社等を含めた決算書)が試験範囲であり、株式投資をするなら連結決算書を読めるようになった方が良いと思い2級も受験することにした。
2級試験の勉強方法について
まずは結論から。独学で合格するために必要なものは、公式テキストと公式過去問題集の2冊のみで問題ない。ただし、どちらも最新のものを用意すること。私の勉強方法は、公式テキストを2回読んで、公式過去問題集を一通り解いて間違えた問題のみ2回解いた。累計勉強時間は約50時間。これで合格した。ただし、他の人と違うのは日常的に経理実務をしている点(一般企業ではないが)。会計ソフトで仕訳を入力したり、減価償却費を計算したりしている。また決算書も実際に作成しているので、ある程度アドバンテージがあったと思う。なので、知識ゼロの人と比べると勉強時間が少ないかもしれない。(簿記3級も保有している。)
以下、2級の勉強方法についての詳細を記載する。
試験日は10月20日だったが、勉強を始めたのは7月8日、余裕を持って約3ヶ月前から始め、まずは公式テキストを読んだ。自宅は狭く(リビングと寝室しかない)1歳と3歳の子どもがいるので、自宅では勉強していない(できない)。基本的には通勤時間とお昼休みを使い、最初の2週間は公式テキストを読み進めた。その後、通勤電車では公式テキストを読み、お昼休みには公式過去問題集を解くようにした。なお、通勤時間は行き帰りで20分×2、お昼休みの勉強時間は20分で、1日の勉強時間は1時間ほど。平日のみなので週5時間がMAXだった。7月8月は基本的に「通勤電車では公式テキストを読み、お昼休みには公式過去問題集を解く」を繰り返した。公式過去問題集を解く際には、問題を解く→回答を確認する→もう一度問題と回答を確認する→分からなければ該当部分の公式テキストを読む というような感じで取り組んだ。
2級の合格に向けていろいろ調べていたら、ビジネスアカウンティング研究会が出している「ビジネス会計検定試験対策問題集」がオススメという情報を見つけて、実際に買って8月下旬から勉強したが、これが裏目に出た。このテキストは1ページに1問の問題と解説がまとめられていて、通勤電車でも勉強しやすい。(回答も同じページの右下に逆さまで書いてあり、隠す必要がないのも良い。)ただ、若干難易度が高いように感じて、勉強のモチベーションが下がってしまった。それと同時期に図書館で予約していた本が続々と借りられるようになり、8月下旬から9月中旬までほとんど勉強しなかった。
9月下旬になると、いよいよ試験日が迫ってきて危機感を覚え、勉強を再開する。(スマホに日数カウントダウンアプリをインストールして、試験日までの日数を待ち受け画面に表示させていた。)勉強方法は変わらず、通勤時間に公式テキスト、お昼休みに公式過去問題集をやった。モチベーション低下の原因となった対策問題集は使わなかった。
試験の2週間前からは妻に協力してもらいマンガ喫茶で勉強するようにした。平日は勤務後に3時間(2日に1回程度)、休日は土日のどちらかで6時間勉強した。マンガ喫茶では過去問題集の総合問題と、過去の試験問題を解いた。公式過去問題集に収録されている過去の試験問題は2回分で、1回分を解いて回答を確認・復習すると3時間くらいかかった。ちょうどマンガ喫茶の3時間パックとピッタリで、勉強しやすかった。過去の試験問題は、2週間前に1回、1週間前に1回解いた。得点は90/100点と88/100点で、70点以上取れば合格なので大丈夫そうだと思っていた。その後、公式過去問題集の間違えた問題をすべて解き直し、復習した。(解き直した問題の正答率6割くらいだった。) 試験日当日は、電車内と試験会場で公式テキストの重要ワード(青い太字になっている単語)を中心に1冊ざっと読み直して試験に臨んだ。
実際に試験を受けてみて感じたこと
◯公式過去問題集と違ったことが2つあった。
①大問が4つでなく3つになっていた!
→大問1と2は変わらなかったが、従来の大問3と4が統合されていた。これは大したことなかったが次が大問題だった。
②問題文に「自己資本は制度上の自己資本とする」と記載されていた!
→これにはビックリした!公式過去問題集では「自己資本」=「純資産」とみなして計算していたが、「制度上の自己資本」となると「純資産」から控除する項目が出てくるので、自己資本比率が変わってくる。私の場合、最新の公式過去問題集ではなく、1つ古い版で勉強していたため、もしかしたら最新の公式過去問題集を使っていたら問題なかったのかもしれない。←めちゃ後悔した!私は「制度上の自己資本」についてしっかり把握していなかったので困ってしまったが、たまたま自己資本比率に関する問題が2つあったので、「制度上の自己資本」の金額を予想することができて回答(正解)できた。なお、制度上の自己資本とは、「株主資本」に「その他の包括利益累計額」を加えたものとなる。
◯時間ギリギリだった
過去の試験問題を解いていたときは30分程余るときもあったが、本試験では1問1問を丁寧に解いていたせいか時間がギリギリになってしまった。最後に大急ぎでマークシートミスがないか確認していたら、1問塗り間違いに気づき焦って書き直した。(書き直したものが正解だった。)
◯試験会場にいた受験者層について
3級を受験したときは20代から50代くらいまでいた記憶があるが、2級は20代から40代くらいまでと若い人が多い印象だった。3級も2級も女性の方が若い人が多かった。
2級の試験勉強をした効果について
もともと株式投資のためにビジネス会計検定試験を受験しようと思っていた。実際に勉強してみて、効果があったと実感しているので、株式投資をしていてビジネス会計検定に興味があるなら受験することをオススメする。
株式投資の書籍によく出てくるPER、PBR、ROE、ROAといった単語について、なんとなく分かっているつもりだったが、ビジネス会計検定の勉強を通じて実際に自分で計算するのでしっかり理解することができた。(これについては3級の試験範囲)また、2級の試験勉強をすることで連結決算書が読めるようになった。今までは大企業の決算短信に出てくる「親会社に帰属する◯◯◯(例えば純利益)」や、「連結子会社」、「持分法適用会社」などの意味が理解できるようになった。また「ネットキャッシュ」といったバリュー株投資をするなら把握しておくべき用語も2級の試験範囲なので理解することができた。このように株式投資の書籍を読むとよく出てくる用語を理解できるようになったので、本の理解度が段違いに良くなった。
最後に
2024年1月からビジネス会計検定試験3級の勉強を始め、11月には2級に合格することができた。次の1級に挑戦しようか考えたが、1級は難易度が高く、勉強時間も2級に比べ最低でも3倍は必要なようなので断念した。もともと株式投資のためにビジネス会計検定の勉強をし始めたので、今後はインプットした知識を株式投資にアウトプットしていければと思う。
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