まえがき
2022年9月21日発売の株式投資雑誌「ダイヤモンドZAi」に掲載されている【全上場3854社の理論株価】を参考に、実際の株価と理論株価を比較し、割安度が80%以上の銘柄を厳選し、購入に値するか検討してみた。
※地銀銘柄は割安度が80%以上の銘柄が多数あったため、除外。
※この検討内容はあくまで私個人の見解であり、購入を推奨するようなものではないが、参考になれば嬉しい!
割安度が80%以上の銘柄一覧表
コード | 名称 | 配当利回り | PER | PBR |
2418 | ツカダ・グローバル | 0.00% | ||
3864 | 三菱製紙 | 1.79% | ||
4119 | 日本ピグメント | 4.66% | 5.62倍 | 0.24倍 |
4298 | プロトコーポレーション | 3.17% | 9.98倍 | 1.09倍 |
4304 | Eストアー | 3.59% | 8.76倍 | 2.78倍 |
4553 | 東和薬品 | 2.84% | ||
5017 | 富士石油 | 3.19% | 1.21倍 | 0.30倍 |
5852 | アーレスティ | 2.77% | ||
5932 | 三協立山 | 3.72% | 6.75倍 | 0.21倍 |
5989 | エイチワン | 4.48% | 5.49倍 | 0.22倍 |
6390 | 加藤製作所 | 1.37% | ||
6493 | NITTAN | 4.56% | 7.02倍 | 0.31倍 |
6627 | テラプローブ | – | ||
6668 | アドテックプラズマテクノロジー | 0.99% | ||
6890 | フェローテック | 3.07% | 5.11倍 | 0.67倍 |
7212 | エフテック | 3.98% | 9.33倍 | 0.19倍 |
7214 | GMB | 2.84% | ||
7229 | ユタカ技研 | 5.14% | 4.88倍 | 0.29倍 |
7231 | トピー工業 | 4.43% | 7.25倍 | 0.32倍 |
7280 | ミツバ | 0.79% | ||
7291 | 日本プラスト | 4.66% | 5.87倍 | 0.29倍 |
7298 | 八千代工業 | 2.83% | ||
7299 | フジオーゼックス | 4.45% | 6.66倍 | 0.22倍 |
7744 | ノーリツ鋼機 | 6.10% | 0.87倍 | 0.42倍 |
7808 | シー・エス・ランバー | 3.09% | 2.38倍 | 0.69倍 |
7827 | オービス | 3.41% | 4.01倍 | 0.49倍 |
7841 | 遠藤製作所 | 2.44% | ||
7879 | ノダ | 4.75% | 3.67倍 | 0.59倍 |
7887 | 南海プライウッド | 2.46% | ||
7989 | ウッドワン | 2.48% | ||
9107 | 川崎汽船 | 9.24% | 0.88倍 | 0.51倍 |
9402 | 中部日本放送 | 2.77% | ||
9501 | 東京電力 | 0.00% |
上記の一覧表のうち、配当利回り3%以上、PER 10倍以下、PBR 1倍以下に絞り、配当利回りが高い順に見ていく。
川崎汽船(9107)
オススメ度 ★☆☆☆☆
海運業 配当利回り9.24% PER 0.88倍 PBR 0.51倍
最近の好業績に伴い、海運株は軒並み高配当となっている。海運株は株価の乱高下が激しいため購入しない。
ノーリツ鋼機(7744)
オススメ度 ★☆☆☆☆
精密機器 配当利回り6.10% PER 0.87倍 PBR 0.42倍
ものづくり事業とヘルスケア事業でビジネス展開。PERとPBRは過去5年でみても割安水準だが、前期・今季が特別配当で来季は大幅減配見込みのため購入しない。
ユタカ技研(7229)
オススメ度 ★★★☆☆
輸送用機器 配当利回り5.14% PER 4.88倍 PBR 0.29倍
ホンダ直系の自動車(排気系、駆動系)部品メーカー。実質無借金。PERとPBRは過去5年でみても割安水準だが、今季の業績が良くなさそうなので、10月下旬の第2四半期決算の発表を待ってもよいかと。株価は下落傾向。株価1400円まで下がれば強気買い。
ノダ(7879)
オススメ度 ★☆☆☆☆
その他製品 配当利回り4.75% PER 3.67倍 PBR 0.59倍
住宅建材メーカー。セグメント構成:住宅建材事業6割、合板事業4割。実質無借金。PERは過去5年でみても割安水準。今季の業績良好だが、来季は減益見込み。私は住宅関連銘柄に明るい未来があまり想像できないので、買わない。(人口減少に伴い家余りが想定されるため。リフォーム需要はあるかも?!)
日本ピグメント(4119)
オススメ度 ★☆☆☆☆
化学 配当利回り4.66% PER 5.62倍 PBR 0.24倍
プラスチック着色剤メーカー。樹脂のカラーコンパウンド、着色剤専業で業界首位。4期連続減収。減収している企業に魅力を感じないため、買わない。
日本プラスト(7291)
オススメ度 ★☆☆☆☆
輸送用機器 配当利回り4.66% PER 5.87倍 PBR 0.29倍
樹脂とエアバッグなどが主力の独立系自動車部品大手。売上高の7割が日産、3割がホンダ向け。前期赤字のため、買わない。
NITTAN(6493)
オススメ度 ★★☆☆☆
輸送用機器 配当利回り4.56% PER 7.02倍 PBR 0.31倍
エンジンバルブ主体の独立系部品企業。4輪向け中心、2輪・建機・船舶向けも。収益性が低い。株価が260円台と安いので、買ってみるのもあり。ただし自動車のEV化という不安材料あり。
エイチワン(5989)
オススメ度 ★☆☆☆☆
金属製品 配当利回り4.48% PER 5.49倍 PBR 0.22倍
自動車フレームメーカー、ホンダ系列(9割弱がホンダ向け)。前期赤字のため、買わない。
フジオーゼックス(7299)
オススメ度 ★☆☆☆☆
輸送用機器 配当利回り4.45% PER 6.66倍 PBR 0.22倍
エンジンバルブメーカー。自動車業界向け中心。ディーゼル、ガソリン両方対応。今後、電気自動車が普及してくるだろうから、買わない。
トピー工業(7231)
オススメ度 ★☆☆☆☆
輸送用機器 配当利回り4.43% PER 7.25倍 PBR 0.32倍
金属加工メーカー、日本製鉄系列。商用車ホイール、建機用履板で国内首位。前期、前々期とも経常赤字のため買わない。
エフテック(7212)
オススメ度 ★☆☆☆☆
輸送用機器 配当利回り3.98% PER 9.33倍 PBR 0.19倍
自動車シャーシ部品メーカー、ホンダ系列。サスペンション、サブフレームなど足回り部品に強み。ホンダ向けが7割超。前々期が赤字のため買わない。
三協立山(5932)
オススメ度 ★☆☆☆☆
金属製品 配当利回り3.72% PER 6.75倍 PBR 0.21倍
アルミ建材大手で住宅用サッシ国内3位。過去5年のうち3期は赤字、直近の本決算(2022年5月)も利益以上に配当を出しており、買いたいとは思わない。
オービス(7827)
オススメ度 ★★☆☆☆
その他製品 配当利回り3.41% PER 4.01倍 PBR 0.49倍
木材メーカー。梱包用材やプレハブハウスの製造が主力。太陽光発電システム施工やゴルフ場経営も手がける。今季の業績好調、来季も伸びる見込みだが、有利子負債が多いのが気になる。購入は見送り。
富士石油(5017)
オススメ度 ★☆☆☆☆
石油・石炭製品 配当利回り3.19% PER 1.21倍 PBR 0.30倍
石油精製・販売会社。石油精製専業で業界中堅。有利子負債が多い。3期前は大幅赤字。石油業界は株価が乱高下するイメージで今は買い時ではない。この企業を買うなら、INPEXやENEOSを買った方が良いと思う。
シー・エス・ランバー(7808)
オススメ度 ★★☆☆☆
その他製品 配当利回り3.09% PER 2.38倍 PBR 0.69倍
住宅用木材加工・販売会社。木材プレカット大手で在来、2×4工法用ともに製造。1都4県地盤。建築請負、不動産賃貸も。有利子負債が若干多い気がするが、増収傾向。私は住宅関連株を好まないので買わないが、購入してみる価値はあるかもしれない。
フェローテック(6890)
オススメ度 ★★★★★
電気機器 配当利回り3.07% PER 5.11倍 PBR 0.67倍
半導体ウエハや半導体設備向け部品を製造。真空シール世界シェア6割。PERとPBRは過去5年でみてもかなり割安水準。増収傾向で、配当も増配傾向。前期の配当性向7.5%と大幅な配当余力あり。最近はハイテク株が下落傾向にあるので、狙い目かも。今回取り上げた銘柄の中で1番買いたい銘柄。買い時は株価が復調したときか。
まとめ
今回は割安銘柄のうち16社取り上げた。自動車部品メーカーや住宅関連銘柄が複数あった。調べていっても買いたいと思う銘柄がなく焦ったが、最後に検討したフェローテックが唯一購入したいと思える銘柄であった。
単純に割安だからといって値上がり益を期待できるものでもないし、株価が割安になるのには理由があるのだろう。ほとんどの銘柄で興味をそそられるようなものは感じられなかった。バリュー株投資も難しいなと感じたが、また機会をみて割安銘柄の検討をしてみようと思う。
※今後の自動車業界について
今回挙げた銘柄に自動車部品メーカーが複数あり、調べていくうちにある記事にたどり着いた。それは、エンジン車からEV車に移行することで自動車部品が約4割不要になるという記事である。エンジンまわりをはじめ、多くの部品が不要になるそうで、そうなると影響を受ける自動車部品メーカーは多いのではないだろうか。私は自動車部品メーカーの株を保有していないが、保有している場合は気をつけた方がよいかもしれない。
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